電子帳簿保存法に関する愚痴

令和4年1月に施行された改正電子帳簿保存法の宥恕期間がまもなく終了し、電子取引データの保存がいよいよ義務化する。

真実性と可視性の確保、検索機能とその要件も理解した上で、どうしてもわからないことがある。

 

電子取引データがもれなく保存されていることを税務調査の担当官が確認する方法。

 

税務署で仕事をされる方は印刷書類を見ただけで、これがメールで届いたものだとか、ウェブサイトからダウンロードしたものだと分かる特殊な能力を持っているのだろうか。

そうであるならどう見分けるのか教えてほしい。

税務調査員って全員一休さんみたいな人なんですかね。

 

我々だって、日々、他の部署から紙で提出される証憑を見た目だけで電子取引データであると判断できなければ、それがもれなく保存されているか判断できないのですよ。

残念ながらごく一般的な人間しか雇用されてないところで働いてるので、そんな特殊能力を求められても困ります。

 

なお、可視性の確保は電子取引データのダウンロードの求めに応じることや紙面への出力に応じることができるように備えることで良いらしいが、それなら紙で保存しておいて、それを見せれば一緒なのではないだろうか。

紙と電子データが混合している今、契約書は紙で見積書はデータ、なんてことはごまんとあるわけで、正本の形式によって紙を見たりデータで見たりするのは面倒だ。

だから最終的には紙で提出してほしいのでは?

じゃあ初めから紙でいいよね?

 

実際には、お金や人手が足りない企業は多少多めに見てもらえるらしいが、だとしたら初めからお金がかかるような仕組みを作らないでもらいたい。

タイムスタンプはタダではないし、事務処理規程を作る社員の時間もタダじゃない。

別の仕事をした方が会社の売上も上がって、結果的に納税額も増えるんじゃないんですかね。

 

電子「取引」であることを考えれば、大きい企業ほどその量が多く、さまざまな人が関わっている。

今年10月に施行したインボイス制度は、最悪経理を担うものが概要を把握すればどうにかなった例も多いだろうが、電子帳簿保存法はそうはいかない。

取引と呼ばれる行為を行う全社員が、法を正しく理解し、適切な処理をしなければ全てのデータを余すことなく保存することはできないのである。

請求書や領収書はまだしも、納品書が担当部署を介すことなく経理に届く大会社があるのだろうか。

 

インボイス制度すら今になっても経理やレジのある受付を担っている人ですら理解が追いついてないように見受けられる。

インボイスの要件は登録番号だけではないのだが、消費税10%の取引しかないので税率は書かなくていいと思い込んでいる人の何と多いことか。

 

経理のプロとして企業にいる人たちが取り組んでいてもその程度なのに、経理にタッチしていない企業に属する人はどうなってしまうんですかね。

電子帳簿保存法が施行されたら突然理解力が上がるんでしょうか。

絶対必要なデータの保存を忘れない人間にパワーアップするなら話は別ですが。

 

国税庁のQ&Aが令和6年1月からの電子取引分だけで68問もあるのだが、そんなにたくさんの問い合わせを受けなくてはいけないような仕組みは制度として成り立っていると言えるのだろうか。

もちろん義務化しない部分も含めたらもっとあるわけで。

自分で読んで正しく解釈できないような法律はみんな守らないというか、守れないのでは?

 

こんなに納得できないことだらけなのに、法律だからみんなに守らせないといけないし、仕事だから仕方なくやってるけど、誰もが絶対完璧に守れるルールを作ることができなくて詰んでいる。

真面目な人たちが真面目が故にどうしたらいいか問い合わせてくるのがストレス。

税務署に問い合わせしてくれ。 

それか全部の取引を紙にしろ。

 

いっそインフルかコロナにでも罹って、できなくても仕方なかったねって言われたいし、休んでる間に誰かにやっといてほしいけど、残念ながらめちゃくちゃ健康だ。

気持ちは鬱だけど、どこも悪くないから診断書云々の前に帰されそうなくらい健康だ。

やんなるくらい健康なので葉っぱ隊なのかもしれない。

YATTA!

 

 

ぜんぜんYATTAくない…

 

企業会計原則を見習ってほしい。

成立の背景を学んだとき、昔の人は本当に賢いと感心した。

あれは慣習があった上に作られているからこそみんなが守れるし、長く改正されていないにもかかわらず、現代でも通じているのだ。

 

何故、現場を知らずに制度設計をしてしまうのだろうか。

何故、税務調査という制度がありながら、調査で判別ができないような内容を求めているのだろうか。

 

 

全くもって、理解できない。